2018年6月23日土曜日

01_新しい人間

エーリッヒ・フロム「希望の革命」紀伊國屋書店より

しかし<優れた>規範などと言うのは、まさに問われている論点を自明のこととしているのではなかろうか。何が優れているのか誰が決めるのか?この問いに対する答えは、何か具体的な二者択一から始めた方が容易になるだろう。

もし人間が自由を奪われたら、彼は諦めて生気を失うか、憤慨して攻撃的になるだろう。もし退屈すれば、人生に対して受動的になるか、無関心となるだろう。もしAIに等しい状態まで成り下がれば、独創性、創造性、関心を失うだろう。

もし私がある要因を最大限まで強めれば、他の要因がそれに応じて最小限まで弱められることになる。そこで次の可能性のどちらが望ましいかという問いになる。

活気のある、喜びに満ちた、関心を持つ、能動的な、平和を望む構造か

活気のない、どんよりとした、関心を持たない、受動的な、 攻撃を望む構造か



新しい社会の機能は、新しい<人間>の出現を促進することである
⇨ エーリッヒ・フロム「生きるということ」紀伊國屋書店より

(1)過不足なく在ること 。
個性を能動的に発揮して至福を追求する生き方」を志向し、
財産や知識、社会的地位や権力の所有」を進んで放棄する意思を持つ。


(2)安心感、自己同一性の感覚、自信は自分の在る姿であり、結びつき、関心、愛、世界との連帯への欲求であり、世界を持ち、所有、支配し、なおかつ所有物の奴隷になろうとする欲求ではない。

(3)自分以外のいかなる人間も物も、人生に意味を与えることはない。このように独立し、物に執着しないことが、思いやりと分かち合いに専心する最も十全な(過不足のない)能動性の条件となる。

(4)自分が今あるところに、過不足なく存在できること。

(5)貯蓄し搾取する喜びではなく、与え分かち合うことから来る喜びの尊重。


(6)生命そのものへの愛と尊敬、物質や力ではなく、生命とその成長に関するすべてが神聖であるという認識を持つこと。

(7)貪欲憎しみ幻想を、出来る限り減らす努力をする。

(8)偶像を崇拝することなく、偶像や幻想を必要としない状態を志向する。

 (9)愛の能力と、批判的だが感傷的でない判断力を、同時に発達させる。

(10)ナルシシズムを捨て、人間に特有な限界を受け入れる

(11)自己及び同胞の十全の成長を、至高の目的とする。

(12)この目的の達成には、修養と現実の尊重が必要だということを自覚できること

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