2018年4月1日日曜日

03_取捨選択と可能性

☟(鈴木秀子著「9つの性格」PHP、より)
無意味な意地っ張り
決断に際し圧力をかければかけるほど、彼らは頑固になる。彼らは深いところで自分が過小評価されることへの怒り を抱えているからである。このような状況に追い込まれると、タイプ9は<行動しない>ことにより抗議を表す。そして一旦どちらかに身を置くと、その立場に執着するようになる。本当は決断などしたくなかったのに、圧力に負けて立場を決めてしまった自分の弱さが気に入らず、意地を張りたくなるからである。

えてしてこのタイプの人は他人の攻撃や支配欲の餌食になりやすい。このような状況下にあって普段はいいように利用されていた人が、思いもよらない反抗的で強情な態度をむき出しにして反撃し、周囲を驚かせることは多い。⇨ ユング「タイプ論」

手放すことの恐怖
決断の遅いことのもう一つの理由は<手放すことの恐怖>である。タイプ9は手放すより取り入れる量の方が多い。彼らの過去の思い出は非常に鮮明で、現在の現実に対してはあまり身が入らないのである

こうした特性の表れとして、タイプ9にはコレクターが多い。アンティークやおもちゃを集めることは、彼らの空いた空間と時間を埋めてくれるからである。しかしこれらは<重要でない>ことでなければならない。タイプ9は大切な要求の代わりに、大切でないことをする傾向がある。食べ過ぎたり、テレビを見すぎたり、漫画を読みすぎたり、凝った趣味であっても彼らには、<重要でない>から魅力的なのである

溜め込む志向、捨てない志向、優先順位の混乱は、タイプ9の取捨選択能力の欠如を現している。葛藤を避けようとするあまり、自分自身を意識から切り離す囚われを持つタイプ9は怠惰になりやすい。彼らの中には、新しい知識や技術を学ぼうとする向学心を持たない者も多い。成長するためには、古い知識や技術の一部を捨てなければならないからである。

強いモチベーションを持てず、方向性を決められないので、成り行きに流されるままになりやすく、深く考えず惰性で仕事をする<習慣>に陥りやすい。このような生活に意欲が介在する余地はなく、カウチポテト的なライフスタイルを好み、薬物やアルコールに依存することにより葛藤を回避しようとする場合もある。

優先順位をつける能力の欠如
タイプ9は、自分の意見は重要でないと思っているので、

自分の意見を表明することで軋轢が生まれるのことは、葛藤を避ける囚われを持つ彼らにとっては割に合わないことなのである。しかも彼らは、他者と同化するという特技があるので、誰の意見であってもそれなりの正当性が感じられ、自分の意見を優先させなければならない必要性を感じないのである

この極端に決断をしない彼らの性向は、人間的なライフスタイルを疎外する。優先順位をつけられないので、期限の迫った仕事を先送りして、いつでもできるような仕事をしたりする。タイプ9が社会生活で味わうトラブルの多くは、この優先順位をつける能力の欠如による

優先順位をつける能力の獲得
 タイプ9はまず、自分の囚われを棚に上げて、簡単な日常生活のスケジュールを<優先順位に従って>作成し、その優先順位に沿って行動する習慣を身につけるとよい。一つ一つの所要時間とか、どのカップでコーヒーを飲むとか、どのスナックを買うとか、細かく決められればなお良い。決して「どうでもいい」と考えてはならず、「どうでもいい」ことを一々<決定する>のである。様々なことを決断するようになると、会話に参加しない自分、同時に物事を考える癖、複雑な問題に及び腰な自分、相手が動くのを待っている自分が分かり始め、いかに自分が受け身の姿勢で生きているかがはっきりしてくる。

そのようにして、次第に自分に対する怒りや苛立ちが表面化してくるが、それは変化のエネルギーであり、自分を意識するための源泉になる。自分が違和感を感じたら、怒れる自分を想像し、心の中ででも悪態をついたり興奮したりして、本心から怒っている自分を発見できれば、本当の感情にたどり着けないほど、感情に蓋をしている自分にも気づくことが出来る

他人の積極性を取り入れる
タイプ9が陥る怠惰は、身体的怠惰以外にも、精神的堕落のようなものもある。効率よくこなすための方法を探して、必要最低限のエネルギーや神経を使って、惰性的に生きようとする態度である。惰性で生きようとする態度が意識できた時は、周囲にいる意欲的で活力にあふれる人との接触を試みてみるべきだ。他人の関心ごとに思い入れる才能があるタイプ9は、活力ある他者によって比較的容易に惰性から覚醒することが出来る

流されやすいタイプ9は、自分がいる環境の色彩を帯びる傾向があるため、この性向を逆に利用して、意識的に意欲的で創造的な集団に身を置き、彼らとの交流を心掛ければ、生き生きと変化することが出来るだろう。逆に、理解してくれるパートナーやグループに恵まれない場合、彼らは無気力になり「何をしても、自分のためにしかならないなら、人生は無意味だ」と考え、微動だにしない岩のような人間になってしまう

タイプ9は、他者の意識やエネルギーを借りることで停滞から逃れることもできるが、本質的な自己改革のためには、自分自身の価値の高さに気づく必要がある。平和を好む穏やかな性格のために、タイプ9は競争第一で市場志向的な社会で、軽んじられ過小評価された経験を持って生きている。

自己主張が強く成果をひけらかすタイプなら、このような社会でも注目を集め、成功するチャンスもあるが、いつも穏やかで手のかからない子どもだったタイプ9は、周囲の注目を引かなかったので、なんとなく周囲は、自分には目をかけてくれないのだという引け目を感じ、自分を卑下し、願望を遠ざけ、周囲に対して無関心になるという<囚われ>を背負い込んでしまったのである

タイプ9は他のタイプ同様に社会とかかわる能力を持ち、自分の意見を主張し人生を確立する権利を持っている。タイプ9は、自分が思っているほど社会は自分を無視してはいない、という事実に気づき、肯定的な自己イメージを持つべきである。

このことはタイプ9には至難の業と思われるかもしれないが、自分をおろそかにし過ぎている事実に気づけば、その証拠を見つけることが出来、それが出来れば時間がかかるかもしれないが、隠れていた願望が姿を現し、自分を表現する能力や、行動する意欲を身につけることも出来るようになるはずである

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