2017年11月25日土曜日

3、内向型と外向型

<C・G・ユング著「タイプ論」みすず書房より>

主体と客体の関係は生物学的に見て「適応」の関係である。自然界には生物が適応し、それによって生き続けるための二つの方法がある。

一つは⇒ 個々の防衛力が劣ることや、寿命が短いことの代わりに繁殖力を大きくするというものであり、
もう一つは➡ 繁殖力が弱い代わりに自己保存のための手段を個体に持たせるというものである。

この生物学的対立は、われわれの二つの心理的適応様式に似ているというだけでなく、その普遍的な基盤でもあると考えられる。すなわち、

⇒ 内向型は外界の要求に対して防衛線を張り、客体と直接関係のあるエネルギー支出を可能な限り抑え、安全で強力な陣地を築こうとする傾向を持ち、

➡ 外向型はつねに自分の力を使い果たし、あらゆることに首を突っ込む特性を持つ

それぞれのタイプは、客体に対する構えにより区別することができる。

⇒ 内向型の人は客体を無視する態度をとる。彼がいつも配慮しているのは、客体からリピドー(心的エネルギー)を奪い取ることであり、まるで客体が優位になることを防ごうとしているように感じられる。

➡ 外向型の人は客体に対して積極的な態度をとる。彼は自らの主観的な構えを客体に従って方向づけ、関連付ける。客体は彼にとって最高の価値を持ち、客体の重要性はますます高まらざるを得ない

この二つのタイプはあまりに異なっているので、両タイプの存在は容易に見出すことが出来る。閉鎖的で心の内を明かさない、しばしば内気な人がいる一方で、まったく反対にあけっぴろげで愛想がよく、少なくとも親切で人好きな性格の人がいる。

こうした対照は、単にその人特有の性格構造として個別的に理解されがちであるが、多くの人と深い付き合いを続けるならば、当初想定したよりも、類型的で普遍的なものであることが理解されてくる。

このような性格の違いは、広くあらゆる階層に見られ、職業の違いや専門的教育の有無、あるいは性の違いにかかわらず、広く見出すことが出来る。内向型か外向型かの性格の違いを、個人が意識的・意図的に選択した結果だとすれば、この対立がこれほどまでに普遍的に見られることはありえない。

もしそうならば、同一の教育と教養を持ち、地域的にも一定の範囲に住む特定の人びとが、一方の考えを主として持つということになってしまう。現実にはそうしたことは起こっていない。むしろ正反対に、タイプは見たところバラバラに分布している。同じ家族でも、ある子どもは内向的であり、別の子どもは外向的である

こうした事実に照らすと、「構えのタイプ」は明らかに偶然に分布する普遍的な現象である。これらは、意識的な判断や学習が原因ではなく、おそらく無意識的で本能的な基盤から来たものと考えられる。したがってタイプの違いは普遍的な心理現象であり、何らかの生物学的な先駆形態を持つに違いない。(カール・G・ユング)


0 件のコメント:

コメントを投稿