2017年10月18日水曜日

2、恐怖を利用する社会

父が言うにはランゴリアーズは物置や下水などに潜む小さな生き物なんだ

「妖精なの?」

ハッハッハッ、そんな可愛いもんじゃない、見た目は全身毛と歯だけだそうだ、それに速い足だ。何しろ足が速くないと、跳ね回る悪い子たちを捕まえられないからね。ランゴリアーズは何千といる、なぜなら世界には多くの悪い子たちが跳ね回っているからだ。『跳ね回る』という言葉は、無知でムダが多そうで、父が好んで使っていた。ランゴリアーズは目的をもって素早く走る。ランゴリアーズは目的そのものだからだ

「子供たちはどんな悪いことをしたの?」

よくぞ聞いてくれたね。父が言う悪い子とは怠け者のことをいうんだ。怠け者は大物にはなれない、我が家では大物以外は皆、落ちこぼれといわれた。大物になりそびれた連中は一人残らずランゴリアーズに跡形もなく始末される。夜寝ていると奴らが忍び寄ってくる、歯を鳴らし、舌なめずりを・・・・・
⇒ スティーヴン・キング「ランゴリアーズ」

 J.クリシュナムルティ「恐怖なしに生きる」平河出版社より

過去の宗教の多くは人間を管理する手段として、恐怖を利用してきた。

それらの宗教は「現世できちんとやらなければ、その代償は来世で払うことになる」と啓発する。

すべての宗教は愛を説き、兄弟愛に触れ、人類は一つだと語る一方、きわめて狡猾、ないしは野蛮に、この恐怖心を維持し利用してきた

学校で生徒に対し「がんばれ、君たちよりずっと優秀な誰それ君のような生徒になるんだ」と煽るような場合、
 
生徒を発奮させる半面、心の内に人と比較することから生ずる恐怖を生み出す。恐怖は意図する、しないに関わらず人間を管理する場合に多く用いられている

教育の場で生徒の恐怖を取り除く手助けをすることは有意義なことだとクリシュナムルティは説く。なぜなら、
 
恐怖は人間を堕落させるからだ。恐怖は人間の精神を捻じ曲げて鈍感にさせる、そうなるともう人間は聡明ではいられなくなる

恐怖は黒い雲のようなものです。恐怖を抱いているときはまるで黒い雲を心に浮かべ絶えず怯えながら、燦々と照る太陽の下を歩いている感じです」。
➡ クリシュナムルティ

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